拡大解釈
インターネット・エクスプローラーのホームをニフティからヤフーに変えた。
ニフティのトップページに掲載されるニュースがあまりにもエンターテイメントに偏りすぎていると感じたからだ。ヤフーはニフティに比べれば少しいい。
トップページのトピックスの「一覧」を開き、更に「国内一覧」を開く。ふむふむと項目を見ていくと、「社会」の項目の一つに「教師の不祥事」とある。驚いた。「年金問題」「消費者保護」「交通情報」「死刑問題」「おくやみ」「世論調査」などと並列で、「教師の不祥事」があるのだ。それだけ教師の不祥事が多いということか、それともそれだけ教師の不祥事に関心が集まっているということか。おそらく両方だろう。教師は一般人の人たちが引きずり下ろしたいと考えるような、身近にいるちょっとその待遇が羨ましい、そういう存在になったのだ。身分も公的だし、もともと聖職なんて言われていた職業だから、そのスキャンダルは楽しい。それは人情である。
さて、「教師の不祥事」を開いてみる。女子高生を買春したわいせつ校長、家庭ゴミを不法投棄した教諭、電車で痴漢行為に及んだ教諭、部活備品をネットオークションで売却していた教諭、と、まあ、よくこんなに不祥事があるものだと驚く。どれも身近には起こったことのない、聞いたことのないタイプの不祥事である。
目を引いたのは、「勤務抜けだし“乗馬” 中学女性教諭を懲戒免職処分」(毎日新聞)という記事。以下引用。
大阪府守口市立中学校の女性教諭(50)が約2年間にわたり勤務時間中に乗馬教室へ通っていた問題で、府教委は20日付でこの教諭を懲戒免職処分とした。/この教諭は06年8月~08年10月、年次休暇を届け出ずに計91回、職場から抜け出して大阪市内で乗馬レッスンを受けていた。無断で学校を離れたのは約220時間に及ぶが、教諭は「問題はないと判断していた」と話しているという。
別に二ュースそれ自体には驚かないけれど、この女性教師のコメントには驚かされる。「問題はないと判断していた」と言っていると言うのである。
検索をかけて調べてみると、どうやら今回の職務専念義務違反は、長期休業中及び空き時間になっている午後であるらしい。しかも無断で早退、回数は44回にのぼるらしい。つまりこの女性教師の中には、長期休業中や空き時間は授業がないので、職場を離れて私用に時間を使っても問題がないという認識があったということである。
これはすごい。
先に挙げたわいせつ校長も不法投棄教諭も、痴漢教諭もネットオークション教諭も、自分が悪いことをしているという自覚はあったはずだ。ばれればとんでもないことになる、ばれれば処分される、ばれれば懲戒免職の怖れもある、それがわかっていたはずだ。しかし、この女性教師には、それほど罪の意識がなかったのではないか。
おそらく日教組がどんなに強かった時代にも、こんなことが学校現場で認められたためしはない。確かに我々教職員にはいわゆる「昼休み」がないので、それを勤務時間終了直前に持って行って45分ほど早く帰ってもよいと暗黙の了解があった時代があった。教委と労組が、或いは校長と分会が交渉して、このあたりを落としどころとしていたのである。だが、それさえも無断でその時間に帰ることを認めていた学校はあるまい。
おそらく、この女性教師の「問題はないと判断していた」というコメントは、こうした慣習が拡大解釈に次ぐ拡大解釈によって「なあなあ」になっていたことから来たものである。府知事がさんざん日教組の批判を展開して問題になったが、もしもそのような実態が大阪府にあるとすれば、それは知事の指摘も肯けるというものである。
確かに人間は楽な方へ楽な方へと拡大解釈をしがちである。しかし、無断早退が許される職場など、おそらくこの国にはあり得ない。そんなあたりまえの感覚さえ麻痺してしまうほどの実態が、大阪府にあるということなのだろうか。たった一人とはいえ「問題はないと判断していた」と応える教師を生んでいるということは、大阪府にそういった風土があったと思われても仕方ないだろう。
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